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Excelには「曲線グラフ」という種類のグラフは存在しませんが、滑らかな曲線のグラフを作成できないわけではありません。それどころか、割と簡単な方法で作れます。
そこで今回は、Excelで滑らかな曲線のグラフを作成する方法をご紹介します。
「Excelで曲線グラフを作りたいけど、やり方がわからない」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
折れ線グラフと曲線グラフの違い
まずは、折れ線グラフと曲線グラフの違いについて簡単に説明します。
折れ線グラフ:データを正確に見せる
折れ線グラフは、各データ点を直線でつないで変化を表すグラフです。データに増減が多いとガタついて見づらくなることもありますが、実測値のみを使用する(想像上の数値が入らない)ため、データを正確に見せることができます。
曲線グラフ:柔らかい印象を与える・変化の傾向をわかりやすくする
曲線グラフは、各データ点を滑らかな曲線でつないで変化を表すグラフです。折れ線グラフと比較すると角が丸い分、見る人に柔らかい印象を与えられます。
曲線グラフは単に折れ線の角を丸くしただけのものと、中間の値を補間して曲線を引いたものがあります。後者のような曲線グラフは、「毎月の売上の細かいバラつきをぼかして、全体の『右肩上がり』や『下降傾向』を強調したい」といった、変化の傾向をわかりやすくしたいときに便利です。
Excelで滑らかな曲線のグラフを作成する3つの方法
Excelで滑らかな曲線のグラフを作成する方法には、以下のようなものがあります。
- 折れ線グラフのスムージングを有効にする
- 散布図(平滑線)を作成する
- 散布図に近似曲線を追加する
方法1:折れ線グラフのスムージングを有効にする
中間の値は考えず、単に見た目が柔らかくなれば良い場合は、折れ線グラフのスムージングを有効にする方法がおすすめです。
折れ線グラフのスムージングを有効にするには、まずグラフの元となるデータ範囲を選択し、[挿入]タブ⇒[折れ線/面グラフの挿入]⇒[2D折れ線]から適当な種類をクリックして折れ線グラフを作成します。

折れ線グラフが作成されたらデータ要素をクリックして選択状態にし、右クリックして[データ系列の書式設定]をクリックします。

画面右側に「データ系列の書式設定」が表示されたら、[塗りつぶしと線]をクリックし、一番下にある[スムージング]にチェックを入れます。

これで滑らなか曲線のグラフが作成されます。


方法2:散布図(平滑線)を作成する
中間の傾向もある程度見えるよう、補間曲線(スプライン曲線)を引きたい場合は、散布図(平滑線)を作成する方法がおすすめです。
散布図(平滑線)を作成するには、グラフの元となるデータ範囲を選択し、[挿入]タブ⇒[散布図(X,Y)またはバブルチャートの挿入]⇒[散布図(平滑線)]をクリックします。

これで滑らかな曲線のグラフが作成されます。

方法3:散布図に近似曲線を追加する
データの傾向を分析したり、予測したりする目的で、理論に基づいた滑らかな線を引きたい場合は、散布図に近似曲線を追加する方法がおすすめです。
散布図に近似曲線を追加するには、まずグラフの元となるデータ範囲を選択し、[挿入]タブ⇒[散布図(X,Y)またはバブルチャートの挿入]で[散布図]をクリックし、マーカーだけの散布図を作成します。

マーカーだけの散布図が作成されたら、マーカーをクリックして選択状態にし、右クリックして[近似曲線の追加]をクリックします。

画面右側に「近似曲線の書式設定」が表示されたら、[近似曲線のオプション]で[多項式近似]を選択します。

これで滑らかな曲線のグラフが作成されます。


なお、データの傾向によっては[次数]を変更したほうが正確性が高まります。たとえば、山や谷が1つある場合は「2次」が、山と谷が複数ある場合は「3~4次」が向いています。

Excelで折れ線グラフのスムージングを一括で有効化・解除するマクロ
Excelでスムージングを有効にしたい、またはスムージングを解除したい折れ線グラフが複数あり、一括で処理したい場合は、マクロを使いましょう。
マクロを使うのが初めての方は、まず以下の記事をご一読ください。マクロの書き方や使い方について解説しています。
スムージングを一括で有効にするマクロ
以下は、アクティブシートのすべての折れ線グラフに対し、一括でスムージングを有効にするマクロです。
Sub EnableSmoothingAll()
Dim cht As Chart
Dim srs As Series
Dim ws As Worksheet
Set ws = ActiveSheet
Dim co As ChartObject
For Each co In ws.ChartObjects
Set cht = co.Chart
For Each srs In cht.SeriesCollection
Select Case srs.ChartType
Case xlLine, xlLineMarkers, xlLineStacked, xlLineStackedMarkers, xlLineMarkersStacked100, xlLineStacked100
On Error Resume Next
srs.Smooth = True
On Error GoTo 0
End Select
Next srs
Next co
MsgBox "すべての折れ線グラフのスムージングを有効にしました。"
End Sub
標準モジュールに上記のマクロをコピペし、対象のシートを開いた状態で「EnableSmoothingAll」マクロを実行すると、すべての折れ線グラフのスムージングが有効になります。

スムージングを一括で解除するマクロ
以下は、アクティブシートのすべての折れ線グラフに対し、一括でスムージングを解除するマクロです。
Sub DisableSmoothingAll()
Dim cht As Chart
Dim srs As Series
Dim ws As Worksheet
Set ws = ActiveSheet
Dim co As ChartObject
For Each co In ws.ChartObjects
Set cht = co.Chart
For Each srs In cht.SeriesCollection
Select Case srs.ChartType
Case xlLine, xlLineMarkers, xlLineStacked, xlLineStackedMarkers, xlLineMarkersStacked100, xlLineStacked100
On Error Resume Next
srs.Smooth = False
On Error GoTo 0
End Select
Next srs
Next co
MsgBox "すべての折れ線グラフのスムージングを解除しました。"
End Sub
「EnableSmoothingAll」マクロとの違いは、15行目のsrs.Smooth = False
の値と、21行目のMsgBox "すべての折れ線グラフのスムージングを解除しました。"
のテキストだけです。
こちらも同じように標準モジュールにコピペし、対象シートを開いた状態で「DisableSmoothingAll」マクロを実行すると、すべての折れ線グラフのスムージングが解除されます。

まとめ
今回は、Excelで滑らかな曲線のグラフを作成する方法をご紹介しました。
単に見た目だけ曲線になれば良い場合は、折れ線グラフのスムージングを有効にしましょう。中間値もある程度考慮したい場合は、平滑線の散布図を作成してみてください。分析や予測が目的の場合は、マーカーのみの散布図に近似曲線を追加する方法が最適です。
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