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今回は、「Excelに入力した数値データの平均を知りたい」という方に向けて、Excelでの平均の出し方をご紹介します。
平均が0になる、エラーになるなど結果がおかしいときの対処法もあわせてご紹介しますので、「平均を出したいけどうまくいかない」とお困りの方もぜひご覧ください。
Excelでの平均の出し方
Excelでの平均の出し方には、以下のようなものがあります。
- ステータスバーを見る
- AVERAGE関数を使う
- SUM関数とCOUNT関数を使う
- テーブルを使う
方法1:ステータスバーを見る
サッと平均を確認したいときは、平均したいセルを選択してステータスバーの「平均:」に続く数値を見る方法が簡単でおすすめです。
方法2:AVERAGE関数を使う
平均をデータとして残しておきたい場合は、「AVERAGE関数」を使いましょう。
AVERAGE関数(アベレージ関数)とは、数値の平均を求める関数です。
AVERAGE(数値1, [数値2], …)
- 数値1(必須)
- 平均を求めたい数値を指定する。
- 数値2(省略可)
- 平均を求めたい追加の数値を指定する。
なお、「数値」は最大255個まで指定できます。
たとえば、=AVERAGE(B2:B6)
と入力すると、B2からB6の平均が表示されます。
方法3:SUM関数とCOUNT関数を使う
平均の計算式は「合計÷個数」なので、「SUM関数」を使って数値の合計を、「COUNT関数」を使って数値の個数を出せば、単純なわり算で平均を出すことができます。
SUM関数(サム関数)は、数値の合計を求める関数です。
SUM(数値1, [数値2], …)
- 数値1(必須)
- 合計したい数値を指定する。
- 数値2(省略可)
- 合計したい追加の数値を指定する。
なお、「数値」は最大255個まで指定できます。
COUNT関数(カウント関数)は、数値が入っているセルの個数を求める関数です。
COUNT(値1, [値2], …)
- 値1(必須)
- 検索する範囲を指定する。
- 値2(省略可)
- 検索する追加の範囲を指定する。
なお、「値」は最大255個まで指定できます。
たとえば、B7に=SUM(B2:B6)
と入力するとB2からB6の合計が表示され、B8に=COUNT(B2:B6)
と入力するとB2からB6の数値の個数が表示されます。
あとは平均を表示したいセルに=B7/B8
と入力するだけです。これでB2からB6の平均が表示されます。
方法4:テーブルを使う
縦一列の平均を出したい場合で、平均を出したい列が複数あるときは、「平均したい範囲をテーブルに変換して集計行を表示する」のがおすすめです。
まずテーブルに変換したい範囲を選択して[Ctrl]+[T]を押し、「テーブルの作成」が表示されたら「OK」をクリックします。
これで範囲がテーブルに変換されます。
テーブルのいずれかのセルをクリックし、「テーブルデザイン」タブ⇒「集計行」にチェックを付けると、テーブルの一番下に集計行が追加されるので、平均を出したい列の集計セルをクリックし、右側の「▼」⇒「平均」をクリックします。
これでその列の平均が表示されます。
Excelで離れたセルの平均を出す方法
Excelで離れたセルの平均を出すには、平均したいセルを選択するときに[Ctrl]を押しながら離れたセルをクリックします。
たとえば、=AVERAGE(
と入力したあと、B2をクリック⇒[Ctrl]を押しながらB4をクリック⇒[Ctrl]を押しながらB6をクリック⇒[Enter]で確定すると、B2、B4、B6の平均が出せます。
Excelで平均を切り捨て・切り上げ・四捨五入する方法
平均の計算で端数が出る場合は、切り捨て・切り上げ・四捨五入のいずれかの処理を行うと良いでしょう。そのやり方は以下のとおりです。
平均を切り捨てる方法
平均を切り捨てるときは、「ROUNDDOWN関数」を使います。
ROUNDDOWN関数(ラウンドダウン関数)は、指定された桁数で切り捨てる関数です。
ROUNDDOWN(数値, 桁数)
- 数値(必須)
- 切り捨てる数値を指定する。
- 桁数(必須)
- 切り捨てる桁数を整数で指定する。
たとえば、=ROUNDDOWN(AVERAGE(B2:B6),0)
と入力すると、B2からB6の平均が小数点第1位で切り捨てられて表示されます。
平均を切り上げる方法
平均を切り上げるときは、「ROUNDUP関数」を使います。
ROUNDUP関数(ラウンドアップ関数)は、指定された桁数で切り上げる関数です。
ROUNDUP(数値, 桁数)
- 数値(必須)
- 切り上げる数値を指定する。
- 桁数(必須)
- 切り上げる桁数を整数で指定する。
たとえば、=ROUNDUP(AVERAGE(B2:B6),0)
と入力すると、B2からB6の平均が小数点第1位で切り上げられて表示されます。
平均を四捨五入する方法
平均を四捨五入するときは、「ROUND関数」を使います。
ROUND関数(ラウンド関数)は、指定された桁数で四捨五入する関数です。
ROUND(数値, 桁数)
- 数値(必須)
- 四捨五入する数値を指定する。
- 桁数(必須)
- 四捨五入する桁数を整数で指定する。
たとえば、=ROUND(AVERAGE(B2:B6),0)
と入力すると、B2からB6の平均が小数点第1位で四捨五入されて表示されます。
Excelの平均がおかしいときの対処法
Excelの平均がおかしいときの対処法を、以下の4パターンに分けてご紹介します。
- ステータスバーに平均が表示されない
- 平均が0になる
- 平均がエラーになる
- 平均が合わない
ステータスバーに平均が表示されない場合
ステータスバーに平均が表示されない場合、ステータスバーのオプションで「平均」のチェックが外れていることが原因です。ステータスバーを右クリックし、「平均」にチェックを付けましょう。
これでステータスバーに平均が表示されます。
平均が0になる場合
平均が0になる場合、平均を求めたいセルに自身も含めてしまっていることが原因です。
この場合、平均を求めたいセルから自身を除外すれば、0ではなく平均が表示されます。
平均がエラーになる場合
平均がエラーになる場合、原因としては以下のようなことが考えられます。
- 平均する範囲にデータがない
- 平均する範囲にエラーが含まれている
- 平均する数値が文字列として入力されている
それでは、それぞれのケースでの対処法を見ていきましょう。
平均する範囲にデータがない場合
平均する範囲にデータがない場合、#DIV/0エラーになります。この場合、「IFERROR関数」を使って平均がエラーの場合に空白が返されるようにすると良いでしょう。
IFERROR関数(イフエラー関数)は、数式がエラーでなければ数式の結果を返し、エラーであれば指定された値を返す関数です。
IFERROR(値, エラーの場合の値)
- 値(必須)
- エラーかどうかをチェックする数式を指定する。
- エラーの場合の値(必須)
- 【値】がエラーの場合に返す値を指定する。
たとえは、=IFERROR(AVERAGE(D2:D6),"")
と入力すると、D2からD6の平均がエラーになる場合、#DIV/0エラーではなく空白になります。
平均する範囲にエラーが含まれている場合
平均する範囲にエラーが含まれている場合もエラーになります。この場合、「AGGREGATE関数」を使ってエラーを無視して平均を出すようにすると良いでしょう。
AGGREGATE関数(アグリゲート関数)は、エラーを無視するなどのオプションを指定したうえで、指定した関数で対象範囲を集計できる関数です。
AGGREGATE(集計方法, オプション, 範囲1, [範囲2], …)
- 集計方法(必須)
- どの関数を使って集計するか1~19で指定する。
- 1:AVERAGE
- 2:COUNT
- 3:COUNTA
- 4:MAX
- 5:MIN
- 6:PRODUCT
- 7:STDEV.S
- 8:STDEV.P
- 9:SUM
- 10:VAR.S
- 11:VAR.P
- 12:MEDIAN
- 13:MODE.SNGL
- 14:LARGE
- 15:SMALL
- 16:PERCENTILE.INC
- 17:QUARTILE.INC
- 18:PERCENTILE.EXC
- 19:QUARTILE.EXC
- オプション(必須)
- 集計のオプションを0~7で指定する。省略すると「0」として処理される。
- 0:ネストされたSUBTOTAL関数とAGGREGATE関数を無視する
- 1:非表示の行、ネストされたSUBTOTAL関数とAGGREGATE関数を無視する
- 2:エラー値、ネストされたSUBTOTAL関数とAGGREGATE関数を無視する
- 3:非表示の行、エラー値、ネストされたSUBTOTAL関数とAGGREGATE関数を無視する
- 4:何も無視しない
- 5:非表示の行を無視する
- 6:エラー値を無視する
- 7:非表示の行、エラー値を無視する
- 範囲1(必須)
- 集計したい数値が入力されているセルを指定する。
- 範囲2(省略可)
- 追加で集計したい数値が入力されているセルを指定する。
なお、「範囲」は最大253個まで指定できます。
たとえば、=AGGREGATE(1,6,B2:B6)
と入力すると、B2からB6のうちエラーを除いた平均が表示されます。
平均する数値が文字列として入力されている場合
平均が#DIV/0エラーになる場合、平均するセルの左上に緑の三角が付いていれば、平均する数値が「数値」ではなく「文字列」として入力されていることが原因です。この場合、対象のセルを数値に変換すれば平均が表示されます。
セルを数値に変換するには、数値に変換したいセルを選択し、「データ」タブ⇒「区切り位置」をクリックします。
「区切り位置指定ウィザード」が表示されたら、そのまま「完了」をクリックします。
これでエラーにならず平均が表示されます。
平均が合わない場合
想定外の平均になる場合、原因としては以下のようなことが考えられます。
- 平均する範囲に0が含まれている
- 平均する範囲にフィルターがかけられている
それでは、それぞれのケースでの対処法を見ていきましょう。
平均する範囲に0が含まれている
平均する範囲に0が含まれていると0も含めた平均になるため、「0はないものとして平均を出したい」という場合、想定とは違った結果になってしまいます。
この場合、「AVERAGEIF関数」を使って0を無視して平均を出すようにすると良いでしょう。
AVERAGEIF関数(アベレージイフ関数)は、条件に一致するセルの平均を求める関数です。
AVERAGEIF(範囲, 検索条件, [平均範囲])
- 範囲(必須)
- 平均を求めたい範囲を指定する。
- 検索条件(必須)
- 平均の対象となるセルを定義する条件を指定する。
- 平均範囲(省略可)
- 平均を求めたい実際の範囲を指定する。省略すると【範囲】が使用される。
たとえば、=AVERAGEIF(B2:B6,"<>0")
と入力すると、B2からB6のうち0を除いた平均が表示されます。
平均する範囲にフィルターがかけられている
平均する範囲にフィルターがかけられている場合、AVERAGE関数で平均を出そうとすると、フィルターで非表示になっているセルも計算に含まれるため、想定とは違った結果になってしまいます。
この場合は、AVERAGE関数ではなく「SUBTOTAL関数」を使いましょう。SUBTOTAL関数ならフィルターで非表示になっているセルは計算に含まれません。
SUBTOTAL関数(サブトータル関数)は、指定された方法で集計する関数です。
SUBTOTAL(集計方法, 範囲1, [範囲2], …)
- 集計方法(必須)
- 集計方法を1~11で指定する。
- 1:AVERAGE
- 2:COUNT
- 3:COUNTA
- 4:MAX
- 5:MIN
- 6:PRODUCT
- 7:STDEV
- 8:STDEVP
- 9:SUM
- 10:VAR
- 11:VARP
- 範囲1(必須)
- 集計する範囲を指定する。
- 範囲2(省略可)
- 集計する追加の範囲を指定する。
なお、「範囲」は最大254個まで指定できます。
たとえば、=SUBTOTAL(1,B2:B6)
と入力すると、B2からB6のうちフィルターで非表示になっているセルを除いた平均が表示されます。
まとめ
今回は、Excelでの平均の出し方をご紹介しました。
サッと平均を確認したいときは、ステータスバーを見る方法がおすすめです。平均をデータとして残しておきたい場合は、AVERAGE関数、SUM関数とCOUNT関数、テーブルなどを使いましょう。
平均がおかしいときは、状況にあった対処法を試してみてくださいね。
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